波乗りクリニック

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山形県教委「命の大切さ教えていく」

約 1 分

いきのびる魔法

一昨日、またしても貴重な人命が失われてしまいました。

 そしておきまりの文句
「命の大切さを教えていく」
が唱えられ、また次の悲劇が起きるのを待つのです。

 命が大事なのは幼稚園児でも知っています。必要なのは具体的な方法です。そのアイディアをみんなで集まって論議しないといけないときに、今さら「命の大切さを教える」でもないでしょう。
 今までもそれを教えてきて、何も解決していません。むしろそんなこと教えられたら、私だったら逆に死にたくなります。

 そもそもこの場合の「命」とは誰の命でしょうか?

 他人でしょうか?自分でしょうか?一般論としての生命でしょうか?

 今、教えるべきは「自分の命を守る具体的な方法」です。

—以下山形新聞抜粋—
「始業式の朝、中1女子が新幹線にはねられ死亡 山形・天童」

 7日午前8時ごろ、天童市南小畑5丁目のJR奥羽本線高擶―天童間の線路上で、女性が新庄発東京行きの山形新幹線つばさ128号にはねられ、死亡した。死亡したのは天童市内の中学校に通う1年の女子生徒(12)とみられ、天童署は身元の確認を急ぐとともに事故と自殺の両面から調べている。
 同署とJR東日本山形支店によると、現場はJR天童駅から南に約1.2キロの地点で、運転士が線路上に女性が入ってきたのを発見し、急ブレーキをかけたが間に合わなかったという。乗客約100人にけがはなかった。
 女性がはねられた場所は南小畑跨(こ)線橋の付近で、線路両脇には高さ約1.5メートルのフェンスがあった。現場には所持品とみられるネームプレートやかばんがあったが、遺体の損傷が激しいため、DNA鑑定で身元の確認を進める。
 つばさは現場付近に約1時間15分停車し、普通列車上下2本が区間運休したほか、つばさを含む上下4本が最大約1時間半遅れ、約千人に影響が出た。
「中学校の始業式、急きょ取りやめ」
 死亡したとみられる女子生徒が通っていた中学校は7日が3学期のスタートだったが、急きょ始業式を取りやめた。消防から一報が入ったのは午前8時25分ごろ。予定通りの授業を行う一方で、教職員が情報の確認など対応に追われた。
 遺体の身元が判明しない中、午後1時45分に臨時集会を開き、校長から生徒に「山形新幹線で死亡事故があった。本校の生徒が行方不明になっている」とだけ状況を説明。心配事や悩み事があれば担任の教諭らに相談するよう呼び掛けた。
 生徒は午後2時15分に一斉に下校した。3年の女子生徒は「亡くなったのはどんな人だったのだろう」と困惑した様子で語り、グループで帰宅していた男子生徒3人は「学校から詳しい説明はなかった」と口を閉ざした。学校近くに勤務する男性は「線路までわざわざ歩いて行ったのだろうか」と残念そうに話した。

天童市教委「いじめ確認されていない」
 山形新幹線つばさの事故を受け、天童市教育委員会は7日午後5時から記者会見を開き、はねられて死亡したとみられる女子生徒について、「不登校などの状況はなく、学校が毎月実施しているいじめ調査でも問題は確認されていない」と説明した。
 市教委の説明によると、女子生徒が通う中学校は生徒による記入方式でいじめ調査を実施している。学校教育課は「まだ身元が判明していない段階であり、確定され次第、女子生徒の日常生活、友人関係などについて、周辺の生徒から聞き取りを行う」との方針を示した。
 女子生徒は同日朝、友人と2人で登校していたが、学校に向かう途中で急に友人と別れ、行方が分からなくなったという。
 会見で水戸部知之教育長は「原因は不明だが、つらく、痛ましい事故が起きてしまった」と沈痛な表情で語った。

県教委「命の大切さ教えていく」
 天童市教育委員会の要請を受け、県教委は7日、死亡したとみられる女子生徒が通っていた中学校にスクールカウンセラーを派遣することを決めた。
 県内では昨年11月、山形市内の小学6年生が学校のトイレで死亡しているのが見つかった。遺書のようなメモが残され、自殺の可能性が高いとみられている。年明け後は火災や交通事故で中学生が相次いで亡くなった。児童生徒が命を落とす事態が相次いでいることを受け、教育の最重点事項として「いのちの教育」を掲げる県教委の幹部は「あらためて命の大切さを教えていかなければならない」と話す。

—以上山形新聞抜粋—

 詳しい状況はわかりませんが、新学期初日に起きていることを考えると、空間としての学校とは無縁ではなさそうです。(学校に責任があるわけでもありませんが…、)

 子供にとっての学校は遊園地みたいなものですが、時として戦場になります。社会人にとっての職場も戦場ですが、それ以上に、学校は子供達にとって逃げ場のない戦場です。

戦場からは遠ざかることです。どんなことをしても、「生きて逃げきる」ことです。

 「逃げても何の解決にもならない」「問題の先送りだ」「大人になったらもっとつらいこともある」
と言われるかもしれませんが、いまを何とか生きのびれば、明日は解決法が見つかるかもしれません。
 中高生では適切な状況判断は出来ません。まずは正常な判断が出来る大人になってから悩み、再チャレンジすべきです。

 すぐに責任を押しつけられる学校や教育委員会には同情しますが、「命の大切さを教えていく」という口上は余計です。言っている本人もむなしさに気づいていることでしょう。思考停止は悲しいことです。

 「どうしていいのかわからない。いいアイディアはないですか?」と、外部に助けを求めてもいいのではないでしょうか。

 全国に苦しんでいる人がいるでしょう、いま、わたしから具体的に助言できるのは

「生きて戦場から逃げること」です。

 どんなことでも死ぬよりはマシです。卑怯でも何でもいいです。とりあえず生きてその場から逃げ、後で大人になってから落ち着いて考えることです。
 ただ、どんなにつらくても、後で(何年後でもいいので)落ち着いて、じっくり考えることは必要です。そうしないと「命の大切さを教える」大人になってしまうでしょう。

 賛否両論あると思いますが、西原 理恵子 (著)「いきのびる魔法-いじめられている君へ-」は一読の価値があります。毒のある本ですが、まずは読んでから考えてみるのも一つの手です。