波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

明日から大学入試センター試験

約 1 分

センター試験2 いよいよ明日から大学入試センター試験です。昨日はうちの子が通っている学校でも「センター試験激励会」が催されたようですね。

 ところで、大学入試は私の半生の中でも大きなウェイトを占めているのか、未だに時々受験の悪夢にうなされることがあります。医師国家試験も出題が大量にあり、それなりのストレッサーだったのですが、所詮は資格試験に過ぎません。競争試験ではないため、友人とわいわいと楽しんで共同戦線を張って楽しんで受験しました。そのせいか、国家試験は夢に出てきません。

 さて、もう四半世紀も前になりますが、私は平成2年1月13・14日、前年まで行われていた「共通一次試験」に引き続き、現行「大学入試センター試験」の第1回目を受験しました。

 出来れば「共通一次」の間に受かってしまいたかったのですが、紆余曲折あり、結局センター試験まで受ける羽目に…。

 「センター試験」と名称変更されても内容は大きく変わらず、ただ私立大学がセンター試験に相乗りすることが出来るようになったくらいでしょうか。

 当時は何とも思っていなかったのですが、大学教員になって内側から見てみると、試験問題作成の大変さがよくわかります。

 入試の過去問は予備校や受験生によって徹底的に分析され、問題に瑕疵があるとマスコミからもたたかれます。受験生も必死ですから大学側もそれに対して非常に神経質になります。また、以前のように大学側が「入学させてやる」といった姿勢の時代と違い、少子化が進んでいますので勢い大学側も受験生をお客様扱いで、入試にも細心の注意を払います。

 毎年、数百の大学で多くの問題を作り出すのには相当な労力が必要で、さらには実力のない(教員の数が少ない・質が低い)大学は、良い試験問題を作れません。

 そういった背景で、バブル前期に乱立した私立大学が良質な問題が作れなくなり、「共通一次試験」を私立大学も利用できるようにしたのが「大学入試センター試験」の正体だと思っています。(責任の一元管理でしょうか)

 「入試が大学の最重要かつ最大の業務」なのに、皮肉なことに、それを外部委託してしまっているのです。
 ただ、「入試が最大の行事」だと思っているところも、大学関係者の単なるノスタルジーである可能性もあります。

 受験生にとって素直な出題で、自分の実力・勉強量をそのまま出力できる環境が大事ですから、センター試験だけで学力を測ってくれるところは、いい大学なのかもしれません。

 共通一次試験が始まる以前の大学入試問題を見てみると、偏微分を駆使して解かないといけない問題があったりして、「とても歯が立たないな」と思ったこともありました。こんな問題をやらされたら、性格曲がってしまいそうだな…と。

 医学部の入試でも、「推薦入試はセンター試験と面接だけ」、というところは多く、推薦枠で入ってくる人は中学・高校と真面目にこつこつ努力してきた人がほとんどです。この人達はほとんど留年や国家試験で苦労することもなく、大学側としてはとても良い学生になってくれます。また、私の周囲を見回してみても、推薦入試で大学に入ってきた人は、ややおもしろみに欠けるものの、エキセントリックな人が少なく、医師になってからの問題行動もあまりないように思えます(統計データはありませんが…。)
 国民にとって「良い医師になる」ということです。

 私の中のノスタルジーが「難問奇問の数学・物理を突破してこそ、真の医学生だ」と囁くのですが、おそらく、いや100%、これは間違いです。
 以前の入試は「過酷な科挙の試験を突破して、やっと官僚になれた古代中国」のような、異常な状況でしょう。

 変な方向ではなく、正しく素直な努力が報われる社会が、真に良い社会なのでしょうね。