波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

インフルエンザ対策には、まず予防接種を

約 1 分

inhuruenza_yobou 巷ではインフルエンザが猛威をふるっています。

 基礎疾患のない人ならば、数日間寝込むだけで自然に良くなります。しかし、呼吸器・循環器や免疫系に問題がある場合は重症化し、状況によっては命に関わったり、脳症を発症することもあり、要注意です。

 罹ってから抗ウイルス薬を服用するより、予防できるならそれに越したことはありません。

 ときどき「予防接種したのにインフルエンザになってしまった。だから来年は予防接種を受けない」という人に出会います。たしかに予防接種も一回あたり3000円~4000円と安くはなく 、それだけ払ってインフルエンザになったのであれば、理不尽に思うのも無理はありません。例えば4人家族で、そのうち子供が2名ということであれば、延べ6回分の予防接種が必要になります。しかし、やはり予防接種はした方が良いのです。

 集団でインフルエンザの予防接種を受けた場合、何もしない集団に比べ感染率が5%程度下がると計算されています。日本では毎年、約10人に一人、総勢1000万人くらいがインフルエンザになっているのですが、もしも日本国民が全員一度に予防接種を済ませれば、これが500万人まで減らせます。単純計算ですが、これは大きな数字です。

 あくまで「集団で」というのがみそで、少人数の場合は実感が薄くなります。小さな視点で見れば「予防接種をしても感染した人」や、「予防接種しなくても罹らない人」がいますが、大きな集団になればなるほど予防接種の効果が見えやすくなります。

 「予防接種」という行為は、接種した人の身を守る「利己的」な意味合いよりも、実質的には「周りの人を守る」「お互いに守り合う」という「利他的」な意味が大きいのです。見方を変えると、仮に日本国民一億数千万人が全員予防接種をしてくれれば、ある一人が予防接種しなくても、その人がインフルエンザに罹る確率は限りなくゼロになります。
 逆に、ある一人が予防接種していても、周りの人が誰一人予防接種していなければ、その個人がインフルエンザに罹る確率が大きく上がってしまうのです。

 こうして考えると、「なぜ他人を守るために自腹を切って予防接種を受けなくてはならないのか?」という疑問が生まれます。もっともなことです。
 「自分さえ良ければ良い」という誘惑は誰しも感じるところです。であれば、インフルエンザの予防接種はある時期にまとめて、日本国民全員(流行前の地域にいるひと全員)が公費で予防接種を受け、不幸にして副反応の犠牲になった人が、公的保証が受けられるようにすれば、日本国全体の利益になると考えられます。
(「被害」者ではなく、「犠牲」者ですね。)

 ちなみに我が家では毎年全員予防接種を受け、私以外は毎年のように全員インフルエンザに罹ります。なぜか毎日のようにインフルエンザの患者に暴露される私だけが、10年以上インフルエンザに罹っていないのです。これにはいろいろ理由があると考えられるのですが、その一つが「職場での集団予防接種」にあるようです。また、職業人として「手洗い」の習慣が関係しているように思われます。「手洗い」についてはまた今度。