波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

「暗い森」

約 1 分

暗い森「暗い森」 アーロン エルキンズ (著), 青木 久惠 (翻訳)

 四半世紀前の推理小説です。形質人類学、特に古代人の骨学に精通したギデオン・オリヴァー教授が、その知識を使って殺人事件の真相に迫っていきます。ギデオン・オリヴァーものとしてシリーズ化されましたが、その初期の作品です。
 普通、推理小説は犯人やトリックがわかってしまうと、そうそう何度も読み返そうとは思わないものですが、この本は大好きで何度も読み返しました。ホームズファンの人は何度も読み返しますので、これもそれに近いものでしょう。
 実は同書は何度か紛失して、そのたびに買い直しています。最近はkindle版も出ているようなので、今度紛失したらそちらにしようと思っています。

 解剖学的な知識が随所に出てきますので、当時医学部生だった私は解剖学(骨学)の試験前にもにこれを読んでいました。
「これは解剖学の勉強なのだ」と。
結果は惨憺たるものに…、まあ、一種の逃避でしょうね。

 主人公のオリヴァー教授がとても人間味あふれていて、それでいてアカデミックな人間で、魅力的に描かれています。不器用な理系人間の恋愛模様も織り交ぜてとてもおもしろい仕上がりです。シリーズも全巻読みましたが、これが一番おもしろかったように思います。

 訳本は、翻訳者の技量によってもそのおもしろさが左右されるのですが、青木久惠氏の文体がとてもわかりやすく、ほっとします。

そう思っていたら、なんと1/24に新作「葡萄園の骨」が発売になっているではありませんか、さっそく読まねば!

【暗い森:ストーリー】
 ワシントン州の国立公園の大森林で人骨の一部が発見された。遭難したハイカーの遺骸なのか?だが、ギデオン・オリヴァー教授の鑑定の結果、骨は六年前に殺された男性のものと判明する。そのうえ、殺人の兇器は一万年前に絶滅したはずの種族が使っていた槍だった!森の奥深くに住むという伝説の猿人が本当にあたりを徘徊しているのか…一片の骨から縦横無尽の推理を繰り出すスケルトン探偵が真骨頂を示す初期代表作。