波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

認知症とユマニチュード

約 1 分

ユマニチュード 昨年、ふとテレビを付けたとき、NHKでフランス発祥の認知症対応法「ユマニチュード」について紹介していました。

 「ユマニチュード」とは「人として接する(Humanitude)」という意味らしいのですが、実際のユマニチュードは精神論ではありません。

 むしろ認知症患者への対応を技術論に落とし込んで、体系化したものです。

 まだ教科書が少なく、私も雑誌を読みながら少しずつ勉強しているところです。

 大きく4つの柱からなるのですが、その中には150の実践的メソッドがあるとされ、現場に即したものを目指しているようですね。

 公衆衛生の改善により、日本人の寿命は長くなりましたが、認知症は根治的な治療法がなく、患者は増加の一途です。

 現在85才以上の3人に一人は「明らかな認知機能の低下」があるといわれています。

 この人達が肺炎や脳梗塞といった疾患で急性期の病院に入院すると、点滴治療などのためどうしても拘束せざるを得なくなります。

 「じっとしていなくてはならない」「点滴の管を抜いてはならない」ことが理解できませんので、本人の安全のために必要な処置です。

 しかし、このことが認知症の増悪を招いたり、医療者と患者の関係を悪化させることはよく知られています。

 これに対する一つの答えが、「ユマニチュード」なのです。

ユマニチュード02_R

出典:www.nhk.or.jp

 ユマニチュードの基本となる4つの柱があります。

  1. 見つめること
  2. 話しかけること
  3. ふれること
  4. 立つこと

ユマニチュード01_R

出典:www.nhk.or.jp

 簡単なように思えるのですが、実際これが出来ている現場は少ないと指摘されています。確かに、ただでさえ忙しい急性期の病棟で無意識のうちにこれらをこなすことは難しそうです。

 しかし、あえてそれを技術論に落とし込んで実践し、少ないマンパワーで最良の結果を得ようというのが「ユマニチュード」という技法です。

 大事なのはあくまで、「技術」であって、「人情論・精神論」ではない。ということでしょうか。

 「これですべてOK」というわけではありませんが、ちょっと希望が持てるような話です。