波乗りクリニック

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認知症でも暮らしやすい町づくり~ベルギー・ブルージュを参考に~

約 1 分

ブルージュ01 少し前になりますが、NHK World Wave Tonight で、認知症の特集をやっていました。
  「認知症にやさしい町~ベルギー・ブルージュ~」2014年2月6日 放送) 

 現在、認知症の人の数は世界全体で4,400万人と推測されており、2050年には1億3,500万人に達する見通しとのことで、これは確実にやってくるでしょうから、いまから対策を考える必要があります。(私もこの1億3,500万人に入るでしょう!)
 経済の面から見ると、認知症の人のケアにかかるコストは、2010年には世界で6,040億ドルと推定されており、2030年にはその倍近い、1兆1,170億ドルに増えるとみられています。このニーズに見合うだけの介護施設をつくるということは、これから非常に難しくて、各国とも認知症の人を『地域で支える』ということを重視するようになってきているようです。

 その中で注目を集めているのはベルギーの「ブルージュ」です。美しい町並みで有名な街ですね。運河の街として有名で、「ブルージュ」も「ブリッジ(橋)」という意味です。

 4年前に「認知症に優しい町」宣言をしたらしいのです。宣言の原文が「やさしい」をどう表現していたのかは気になりますが、まあ、それは横に置いて、ブルージュから学びたいと思います。

 番組で紹介されていたブルージュに暮らす軽度認知症の人は、周囲に支えられながら一人暮らしが出来ているようです。見ていて思ったのは、何か1つの分野に活動を特化するのではなくて、生活全般に係る分野、幅広く、しかも同時に、対策を進めていることです。なんといっても住民同士のコミュニティがしっかりしています。ここが肝のようです。NPOが介護福祉士や地域のボランティアをまとめています。行きつけの薬局では薬剤師が認知症の人への接し方を勉強していますし、徘徊して行方不明になったときの警察対応も慣れたものです。

NPO代表のバルト・デルトゥールさんが言います。
「施設で暮らす認知症の人の中には、悲惨な状況にいる人もいました。問題は認知症という病気そのものではなく、その人が置かれる環境にあると気づいたのです。」

特に新しい技術を開発したわけではなく、既存のインフラを効率的に活用していくことが大事なようです。最近注目されている「ユマニチュード」と同じ発想だと思いました。
先端技術に夢中になりがちな私は反省させられます。

これをそのまま日本に輸入しても根付かないでしょうから、そこから先は日本人の知恵と経験で勝負ですね。