波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

「人はなぜ依存症になるのか」

約 1 分

人はなぜ依存症になるのか 「人はなぜ依存症になるのか」~ 自己治療としてのアディクション~
 エドワード・J・カンツィアン (著), マーク・J・アルバニーズ (著), 松本 俊彦 (翻訳)

 依存症に関しては“自己治療仮説”という考え方があります。

 物質依存・行為依存によらず、無意識のうちに自分たちの抱える困難や苦痛を一時的に緩和するのに役立つ物質を選択し、その結果、依存症に陥るという仮説です。

 何かに依存する場合、いろいろ試行錯誤の結果、それにたどり着くケースがほとんどです。一般的に依存度が高いと思われるものより、それ以外のものに依存する人がいることも、この仮説で説明が出来ます。
 たとえば薬物の場合、覚醒剤やヘロインも試した結果、自分にはシンナーが一番合っていると思えば、シンナーに依存していきますし、処方薬もまたしかりです。
 生物化学的に説明のつく依存性の高さと、“流行るもの”が必ずしも一致しないのが、世間の不思議なところですが、それも「自己治療仮説」で説明がつきます。

 パチンコや公営ギャンブルもそれぞれが「自分に一番合っている」もの、「自分の苦痛を緩和してくれる」ものを無意識に選択して依存していきます。
 依存の対照が覚醒剤や麻薬、違法賭博といった反社会的なものであれば逮捕されてしまいますが、研究や芸術に依存して周囲に利益をもたらすと、賞賛されることもあります。
 (この書籍とは関係なく、個人的な見解として)最近、それが紙一重の問題のように思えて仕方がありません。

 依存症に関わるすべての人に読んで欲しい本です。