波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

和文タイプライター

約 1 分

和文タイプライター 私が大学生の頃から、急速にワープロやパソコンが普及するようになりました。そんな現代社会は字の下手な私にとってはとてもいい環境です。手書きするよりもタイピングの方が早くきれいに文字入力できます。内容はともかく、ちゃんと読むことが出来ます。

 自分の手書き文字にコンプレックスのあった私は、小学校高学年のころから「なんとかして字を書かなくて良い方法はないものか?」と模索してきました。
 そんな私が目をつけたのは自宅でほこりをかぶっていた「和文タイプライター」でした。写真とほぼ同型のものが私の家にありました。現在、山口県立山口博物館には和文タイプライターが収蔵品としてあるそうです。ある一定年齢以上の方は使ったことがあると思います。

 印字される側の紙をローラーに巻き付け、印字場所に見当をつけ、目的の文字まで表面の四角いのぞき窓を持って行って、左手で「えいやっ」とレバーを振り下ろします。
 「ガチョン」という激しい音を立てて、金属の活字がカーボンを紙にたたきつけ、印字完了です。
途中で間違えるとまた一からやり直しなので、結構な集中力を要しました。

 私は主にカセットテープのラベル作りに使っていました。きれいにできあがったカセットケースはとてもかっこいいもので、これで音楽を聴くとさらに楽しめました。

 しかし難点も多いものでした(今から考えると難点だらけです)。まず大きな音を出しますので、夜にこれをやると父の逆鱗に触れます。大きくて重いので移動させるのが困難です。一度は運んでいるときにひっくり返し、活字が散乱してしまいました。左右が逆の細かい活字を判読するのは難しく、神経がすり切れます。そのときは泣きそうになりながら元に戻しました

 苦労して作ったラベルは、一つも残っていません。今はパソコンやテプラが取って代わりましたので、失敗も気にせず何度でも作り直せます。あの一生懸命の時間は何だったのでしょう? 
 時間を無駄にしてしまったという後悔と共に、時々懐かしく思い出します。