波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

「お酒が減らせる練習帳」

約 1 分

お酒が減らせる練習帳 歓送迎会の季節です。

 街が賑わうのはとてもいいことなのですが、健康を損なってはせっかくの楽しい時間が台無しです。

 旧来、アルコール依存症の治療と言えば「断酒」しかなかったのですが、最近は「減酒」ということも言われるようになりました。

 私のパソコンには日本語変換ソフトのATOKとその医学辞書を入れているのですが、「断酒」という言葉は最初から変換できても「減酒」という言葉はうまく変換されませんでした。
 このことから判るように「減酒」というのは比較的新しい造語です。(例によって、ATOKはとても賢いので、私のパソコンはすぐに変換を覚えてしまいました)

 ちなみに「断酒」は一生飲まないこと、「禁酒」は一定期間お酒をやめることで、「禁酒」は再び飲酒することを前提にしていて、似て非なる言葉です。「断酒」が自分の意思が感じられるのに対し、「禁酒」はいやいやお酒をやめるニュアンスもあります。

 少し脱線しましたが、国内の推定アルコール依存症患者数は80万人(予備軍は440万人)、そのうちで治療を受けているのはわずか3~4万人といわれています。

 実際、アルコール依存症専門病院で治療を受けているのは重症化した人が多く、なんとか病院にたどり着いたときにはすでに身体を壊し、人間関係も破壊されて、あらゆる面で手遅れの状態になっている人が多いのです。

 何でもそうですが、早期に治療を始めるに超したことはありません。「断酒」という方法が治療のハードルを高くしているのではないか。もう少し気軽に早めにお酒の量が減らせないかと考えられたのが、「減酒」あるいは「節酒」という方法です。

 大量にアルコールを摂取して身体を壊し、いずれ飲めなくなってしまうのと、ほどよい量を楽しみながら生涯にわたって飲むのでは、後者のほうが良いと思われます。

 何事も「ほどほどに」と言うことですね。

 アルコール業界もたとえばサントリーのように、真剣に依存症問題に取り組んでいる企業もあります。広く、「減酒」という考えが広まれば、お酒も文化としてその地位を保つことが出来るでしょう。