波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

定年退職とアルコール依存症

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sakura 先日、ローカルニュースで某地方銀行の入社式の様子を伝えていました。やる気に満ちたフレッシュマンが抱負を語る様子は見ていて気持ちの良いものです。

 フレッシュマンがいる一方、定年退職で各業界を去って行く人もいます。

 定年退職というのはアルコール依存症を発症する一つのリスクファクターです。退職後に暇をもてあまし、昼間から飲んでいるうちに依存症になってしまうパターンはよく見かけます。

 ただ、「暇」×「酒好き」=「アルコール依存症」という図式には少し違和感を感じます。在職中はあれだけ優秀だった人が、いとも簡単にアルコール依存症になってしまうのか、それだけでは説明がつかない気がするのです。

 やはり、私は「ノスタルジー」が絡んでいるのではないか?と思うのです。

 一生懸命働いていた頃、先輩や同僚とおいしいお酒を飲んでいたこと、それを思い出したくて、手っ取り早くお酒を飲むのではないかと。知らず知らずのうちに身体的・精神的依存を生んでいるのではないかと。

 定年退職を機に発症したアルコール依存症は予後がよく、「早期に」適切な治療を受ければ、かなりの確率で「回復」します。

 周りにそんな人を見かけたら、少し気にかけてあげてください。強引な説得や説教は逆効果です。まずはその人を理解することから始めてみましょう。