波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

「患者様」と言わない医療を

約 1 分

ベルモント 昨日、無事開業一日目を終えました。わたしが新米院長のため、至らない点も多くあったかと思いますが、それでもやっと長い一日が終わりました。

 関係者の皆さんありがとうございました。

 さて、やっと独立したわけですが、苦労の反面、やはり喜びの方が多くあります。

 上司がいなくなり、不安もありますが、その分裁量が拡大し、自由に物事を進めることが出来ます。

 その一つが、波乗りクリニックでは、「患者様と言わない」ことです。

 医療もサービス業であるという考えから、少し前まで患者のことを「患者様」というのが流行りました。

 一見、丁寧で良いことのように思えるのですが、わたしは最初からこれに胡散臭さを感じています。

 いい知れない気持ち悪さ。これはいったい何なのか?

 いろいろと考えてみて、最近ようやくその正体が見えてきました。

 まず、医療が根本的に他のサービス業と違うところは、患者は「好きこのんで病院に来ているわけではない」ということです。

 たとえば、飲食店や野球場であれば、人は喜びを求めて、好きこのんで自らやってくるわけです。

 「お客様」という言葉がしっくりくるのはこういった、「ハッピーな場所」です。

 まさにお客様は神様で、違和感はありません。

 ところが医療は違います。できれば一生無縁でいるに超したことはありません。

 そこに、「医療が他のサービス業と根本的に違う部分があるのではないか」と思うのです。

 もしも警察が被害者のことを「被害者様」と言うならば、それは滑稽を通り越して、被害者を馬鹿にしています。

 それに近いニュアンスを、わたしは「患者様」という言葉から感じ取ってしまうのです。考えすぎでしょうか?

 また、患者様と口では言いながら、その実、患者に冷たいという医療も目にします。

 「患者様、どうぞこの硬い丸椅子に座りやがれ」というわけです。

 脱線しましたが、独立して最初にやりたかったのは、患者用の椅子をもう少し機能的で楽なものにすることでした。

ベルモント2 写真のベージュ色のリクライニング椅子、これがそのまま診察台に変わるので、患者が移動する苦労が軽減します(たぶん)

 「患者様」というリップサービスだけでなく、本質的に患者のためになる医療、それを提供したいと思い、導入しました。

 これも独立したから出来たことです。

 つらい思いでクリニックにたどり着いた患者には、少なくとも私より安楽な椅子に座ってほしいものです。

 私の試行錯誤は今後も続きます。