波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

人は同じ過ちを繰り返す。

約 1 分

サイクル 息子が幼稚園の年少にいたときのこと、夏休み前に担任の先生から、彼の人生最初の通知表をもらいました。

 楽しみにしていた私の目に飛び込んできたのは、

 「同じ過ちを繰り返す」のひとこと。

 一瞬目が点になりましたが、次の瞬間、家内と腹を抱えて笑い転げました。

 なるほど、さすがに幼稚園の先生はよく見ています。

 いくら怒られても、次の日にはそんなことを忘れてしまったかのように、同じ過ちを繰り返します。

 幼稚園児に「過ち」という言葉を使うセンスにも脱帽です。

 以来、我が家では「同じ過ちを繰り返す」はローカルブームになり、「同じ過ちを繰り返す男」は、いまでもその言葉は息子を示す隠語として使います。

 学校の中間考査で悪い点を取り、期末試験で挽回。「しっかり勉強する」と誓ったのも忘却の彼方へ消え去り、また次の中間試験では遊びほうけて悪い点を取る。

息子が中学生になった今も、幼稚園の担任の先生が指摘した本質は変わりません。「三つ子の魂百まで」というのは本当ですね。

ただ、誰しも同じような経験はあるのではないかと思います。

禁煙しようと思ったのにうまくいかなかった。ダイエットに失敗した。勉強しようと思うのだけれど、根気が続かない。断酒が途切れ、再飲酒してしまった。

一見、だらしないようですが、じつはこれが人間の本質ではないかと思うのです。それはそれで受容すべきではないかと。

最近、クリニックを訪れる患者さんの中にも、「治療が途中で中断したので、ばつが悪くて前の病院を受診できない」という人がちらほらいます。

しばらく間隔が開くと、敷居が高くなってしまうのでしょう。

実際、治療に積極的な患者さんばかりではありません。特に症状の出にくい慢性疾患だと、ついつい受診がおろそかになってしまうのはよくわかります。

この人達は、好きで病気を放置しているわけではないのです。悲しい思いをする人を減らすため、治療が中断してしまった人を、いかにして再受診につないでいくか。

これは重要な課題です。

誰しも同じ過ちを繰り返しながら生きています。何度失敗しても、再度治療に取り組む姿勢が大事なのではないかと思います。