波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

「パパ、おちゃけやめて!」

約 1 分

 先週末、某病院の忘年会に招かれて行ってきました。オールフリーとウーロン茶で鍋・すき焼きをつついて満腹となり、大満足の楽しい会でした。

 さて、しらふの私が二次会の誘いを断って駐車場に急いでいると、民家の庭先から子供の泣き声が聞こえました。

 「パパ、おちゃけやめて!」「パパのおちゃけ、やだ」「きらい」「飲まないで!」と幼稚園児くらいの子供が2人、路駐した車の後部座席に座って泣きながら叫んでいます。見ると、車の外には父親らしい20-30代の男性が赤い顔をして笑っていました。
 「パパはお酒が△#○×*…… おいしくて….まあね…いいんだよ…」と窓越しに子供たちへ話しかけていますが、へらへら笑いながら、ろれつが回っていません。

 アルコールに関連したDVが潜んでいる可能性があります!私は歩くスピードを緩め、様子をうかがいながら横を通り過ぎました。
 なにか暴力沙汰が起きるか?と身構えましたが、母親とおぼしき女性の運転する車はそのまま発進し、遠ざかっていきました。

 残された男性はその両親らしき人たちと家に入っていきましたので、これ以上の長居は無用と思い、足を速めて帰宅しました。
(はたからみれば、私が一番あやしい人なのですが…)

もちろん子供が泣くまでに何があったのかわかりません。しかし、父親は暗がりでもわかるくらい赤い顔をしていたので、おそらくアルコールは受け付けない体質の人でしょう。子供がいやがるのにはそれなりの事情があったのでしょう。上手に飲めない人は飲むべきではありません。

お酒が弱い人でもアルコールで失敗することは多々あり、その人生や家族関係を破壊してしまうこともあります。
他人事(ひとごと)ではなく、すべての人が気をつける必要があります。

以前の私は機会飲酒でしたが、飲んで帰宅すると家族が冷ややかでした。
体質的に飲めない私でも、ビール一杯程度だと(自分だけが)楽しく飲めます。
(もっとも楽しいのはその時だけで、その後の数日間は気分不良と不眠に悩まされます!)
その後、焼酎5ml程度を500mlの水で割って飲むと翌朝まで持ち越さず、いい気分で終わることがわかってきました。
それ以来、私は自宅でも時々飲むようになってしまいました。
(5mlで酔っ払いますから、安上がりでした…)

しかしあるとき、長男に「飲んでいるお父さんはいやだ。真っ赤な顔をして…恥ずかしいから飲まないで!」と悲しい顔で言われました。
横には私と目を合わせようとしない娘がいます。
その時から私は自宅での飲酒をやめ、そのあとすぐに機会飲酒もやめました。

先週末に出会った若いお父さんも、私と同じようなことだったのかもしれませんし、あるいは、もしかするともっと根が深いのかもしれません。
これは今となってはわからないことですが、あの子供たちが幸せになるよう祈るのみです。

 先日可決された「アルコール健康障害対策基本法」では第一条に「~酒類が国民の生活に豊かさと潤いを与えるものであるとともに、酒類に関する伝統と文化が国民の生活に深く浸透している一方で、不適切な飲酒はアルコール健康障害の原因となり~」と謳われています。
 このことからわかるように、アルコールは私たちの生活と密接に関わっていますが、アルコールを摂取する資格のない(私のような)人が飲酒をすると、飲酒文化が破壊されるように思います。お酒とのつきあいを上手に考えること、売る相手を選ぶことが、アルコール業界の生き残りにも関わってきそうです。