波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

いつも丁寧に。

約 1 分

img_aed02 先日、波乗りクリニックのスタッフ全員で、宇部市医師会主催の救急救命処置講習会・AED(自動式体外除細動器)講習会に参加してきました。

 指導者の下で、3人一組となり、一人は蘇生処置をしながら周囲に指示を出す役、一人はAEDを操作する役、最後の一人が救急要請をする役を順番に担います。

 以前から繰り返し同様の講習を受講し、時にはインストラクターもしてきたのですが、時間がすべてを消し去ります。

 頭ではわかっているのですが、いざとなると体が動きません。

 AED講習会(救急蘇生講習会)の有効期限は約半年といわれています。実際には3ヶ月もすれば忘却の彼方となりますから、定期的に講習を受講するか、あるいは実際の現場で使っていかなければ、せっかくの知識も風化していきます。

 また、救急蘇生のガイドラインは5年ごとに微妙に変化するのですが、これも知識と技能の劣化に拍車をかけてくれます。

 たとえば心臓マッサージ(いまは胸骨圧迫といっています)の回数は、私が高校生の頃は「一分間に60回」とされていました。

 焦って早くマッサージ(圧迫)すると、「早すぎる」といわれたものです。

 研修医の頃には一分間に80回が推奨され、ちょっと不謹慎ながら、中島みゆきの「地上の星」を頭の中で歌いながらマッサージ(胸骨圧迫)することを教わりました。(NHKプロジェクトXの主題歌でしたね)

 その後、一分間に100回となり、現在は「100回以上」が推奨されています。

 なんとなくロマンティックなイメージを持っていた「マウス・ツー・マウス」も必須ではなくなっています。

 次回のガイドライン改定はどうなってしまうのでしょうか?

ご案内 さて、前置きが長くなってしまいましたが、その中でとても興味深い光景に出くわしました。

 スタッフの一人が倒れている人形を前にして、他の参加者に指示を出し始めます。

 「あなたは119番通報をしてください」、「あなたはAEDを持ってきてください」。文字で書くと伝わりにくいのですが、それが何というか、実に丁寧で落ち着いているのです。

 まるでホテルのフロントで接遇を見ているような、そんな丁寧さです。普段から気をつけて丁寧にやっていると、こんな時も丁寧さが出てしまうようですね。

 一般に、救急の現場では「ザ・ボイス」ということが強調され、低音でよく響き、自信に満ちた声が良いとされています。たしかにそうなのですが、この講習会の光景を見ていると、必ずしも低音でなくても、落ち着いて丁寧な表現というのも「ありかもしれない」と思ったわけです。

 なにはともあれ、スタッフ全員参加できたこの講習会はとても実りの多いものとなりました。講習会の有効期限は半年です。次回も張り切って参加したいと思います。