波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

きみに「中腰力」はあるか?

約 1 分

治らない時代 「治らない」時代の医療者心得帳―カスガ先生の答えのない悩み相談室 – 
 春日 武彦 (著)

 私のように総合診療をやっていると、明快に割り切れない病態に出くわすことが多くあります。むしろその方が多いかもしれません。

 特に「在宅医療」と「心療内科」も看板に出していますので、その傾向が強くなります。

 「在宅医療」は多くの疾患を抱えた患者を診るため、気力と体力を要する重労働ですが、単純に経験値を積み重ねることでいろいろなケースに対応することが出来るようになります。

 一方、「心療内科」はあくまで「内科」です。しかし内科系でありながら精神医学・心理学のセンスも要求されます。私の限られた経験では「総合診療」を煎じ詰めていくと、「心療内科系」の人々が集積していくため、「総合診療医」には中核部分で「心療内科医」としてのセンスが不可欠だと考えています。

 何か検査や心理テストをして単純に「○○病」と診断がつくものは良いのですが、心療内科医を求めて来院する患者はその枠に該当する人は皆無です。患者と一緒に苦しんで苦しんで解決の糸口が見つかることもあれば、診断がつかないまま時間だけが過ぎていくこともあります。

 こんな時役に立つのが「中腰力」!

 すっきりと割り切れない病態も「中腰」で辛抱して診続け、援助し続けると何かが見えてきます。

 精神科医の春日武彦氏の造語だと思うのですが、一昔前に流行った「老人力」「鈍感力」などと同じような雰囲気を醸し出す、面白いナンセンス語です。

 ストイックに真面目に考え過ぎてしまう研修医におすすめの一冊。

【内容紹介】

●「中腰力」の時代!
医者がヒーローになれたブラックジャックの時代は終わった。それを身をもって知っているのは若手医師、医学生たちだ。
では、新しいモデルはどこにある? この「治らない」時代に、医療者はどう身を処せばいい!?—-
そんな率直な質問の数々に答えるのは、ハードな公立精神病院でニヒルにもならず、もちろんいい人にもならず生き抜いてきたカスガ先生。
アノ手コノ手で答えて、つぶやきます。「タフな医療者は中腰だぜ!」と。

22のQ&Aで、「治る/治す」という大きな物語が失効した後の「医療者の新しい誠実の形」を探ります。

●医療界で話題を呼んだ、内田樹氏との対談「中腰の援助論」を収載。
時間という要素を織り込みながら「すっきりしないこと」に意義を見出す援助論は、「内田式憲法論」にも通じるスリリングな展開!

●全編、吉野朔実氏のイラスト&4頁マンガ付き!