波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

アルコール健康問題対策基本法施行から3ヶ月

約 1 分
適正飲酒は可能なのか?
適正飲酒は可能なのか?

昨年末の12月7日未明、「アルコール健康障害対策基本法」(以下「アル法」)が参議院本会議で可決されました。

当時の国会では集団的自衛権をめぐる論議が焦点になっており、「アル法」を取り上げるメディアは皆無だったように記憶しています。

「アル法」の話をすると、お酒大好きな人たちから煙たがられてしまうのですが、この法律の趣旨はアルコール問題を「倫理・宗教的観点」から見るのではなく、「健康・社会問題」としてとらえ、アルコールとの適切な接し方をすることにあります。

ここが約100年前のアメリカにあった「禁酒法」と大きく違う点です。

第一条では、「 この法律は、酒類が国民の生活に豊かさと潤いを与えるものであるとともに、酒類に関する伝統と文化が国民の生活に深く浸透している一方で、不適切な飲酒はアルコール健康障害の原因となり~」とアルコールの必要性を認める内容で始まっています。

このことからわかるように、お酒を禁止するのではなく、「不適切な飲酒」を防止することがこの法律の趣旨なのです。

さて、私は「内科(総合診療科)・在宅医療・心療内科」を掲げて日々診療しています。

アルコールと関連しそうなのは「心療内科」の部分だけに思えますが、さにあらず。

アルコール健康障害の視点から俯瞰してみると、意外といろんなところにアルコール問題の根が這っていることがわかります。

過度の飲酒が招く肝臓病・すい臓病などの臓器障害、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、がん・脳卒中・急性アルコール中毒など致死的な疾患、酩酊に起因する外傷、胎児性アルコールスペクトラム障害など、数え上げれば切りがないほどです。

ひっそりと成立し・今年6月1日から施行された「アル法」は、そんな悲しい不適切な飲酒を防止できるのか?

アルコール関連問題に首を突っ込んでいる数少ない内科(総合診療科)医として、これからも活動していきたいと思います。