波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

B型肝炎ワクチンのすすめ(前編)

約 1 分

yobou毎年この時期になると、インフルエンザワクチンのことが話題になります。肺炎球菌ワクチンとセットで接種することも増えてきました。

デング熱やエボラ出血熱が新聞紙上を賑わせたこともあり、予防薬に対しての期待が高まっています。

ところで、B型肝炎ウイルスというものをご存じでしょうか?

針刺し事故やB型肝炎訴訟(昔の輸血・血液製剤などで感染して、訴訟も起きたりしています)があったので、聞いたことがない人はほとんどいないと思います。

文字通り、肝臓に炎症を起こすウイルスで、肝硬変・肝臓癌の原因になるのですが、実は予防が可能なウイルス感染症なのです。

医療従事者は学生時代に(臨床実習に出る前に)このB型肝炎ウイルス・ワクチンを接種し、抗体を獲得しておくことが推奨されています。

針刺しなど、患者の血液・体液から感染するリスクが高いことがわかってきたからです。

半年間にわたって計3回の予防接種を受け、その一ヶ月後に「HBs抗体」という中和抗体を確認することで、予防接種が成功したかどうかを判定できます。

この「HBs抗体」という中和抗体は非常に優れもので、いったんこの抗体が陽性になった人は、
「一生のあいだ、B型肝炎ウイルスに感染することはありません!」

いったん抗体がついた人でも5-10年たてば、約半数は抗体が消えていくのですが、なぜか一回でも陽性になった人はB型肝炎ウイルスに感染しないことが知られています。

実に不思議、かつ偉大なワクチンだと思いませんか?

ところが、こんなすばらしいワクチンなのに、医療従事者でも接種していない人が、まだまだ大勢います。

この十数年くらいで学校を卒業した、医師や看護師、検査技師、リハビリスタッフなど、直接患者に触れる職種の若い人は比較的、接種率が高いように思われます。

問題は私より年上の医療関係者です。学生時代に接種していない人も多く、抗体を持っていない人が多くいます。

また、これも落とし穴なのですが、私は病院事務や清掃スタッフ、出入りする取引業者など、患者と接触する可能性が低い職種も接種すべきだと考えています。

針刺しの危険性が低いのに、なぜでしょうか?

答えは…。

後編に続きます。