波乗りクリニック

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「キャスト・アウェイ」~現代版「夜と霧」~

約 1 分

キャスト・アウェイ「キャスト・アウェイ」(2000年:アメリカ映画)

トム・ハンクス (出演), ロバート・ゼメキス (監督) 

「最近、映画の話はしないのか?」と、ある方からリクエストがありました。

たしかに、日々の診療に追われ、開業当初の心の余裕がなくなってきたのか、新作映画もほとんど見ていないし、旧作のことを気にかけることもなくなっていました。

昨日は一月ぶりの、まるまる一日完全休日で、長男も一緒に何か映画を見たいというので、手持ちのDVD・Blu-rayを物色。

彼が生まれた年の映画をチョイスしてみました。

いつ見てもトム・ハンクスの演技がすばらしく、ロバート・ゼメキスの監督業もさすがです。

さて、この映画の中で、トム・ハンクス演じるチャックは、無人島生活の孤独を生き抜いて、無事生還するのですが、その支えになっていたのはケリーという恋人の存在です。

この恋人のことを思いながら孤独に耐え、時にバレーボールを「ウイルソン」という友人に擬人化して、心の平安を得ます。

全く同じ事を、ナチスの強制終了所を生きのびた「V.E.フランクル」という心理学者が実体験として「夜と霧」という本に記しています。
(フランクルは別の収容所に引き離された妻のことを思いながら、収容所生活を耐えますが、本人が知らないだけですでに妻は殺されていたのです…。)

実際、「夜と霧」を読んだ後で「キャスト・アウェイ」を鑑賞すると、そのシチュエーションは全く違うものの、主題はほとんど同じであることに驚かされます。

今は目の前にはいないけれど、どこかに存在する、あるいはどこかに存在していた大事な人が、その人にとっての「安全基地」となり、心の平安をもたらします。

見る度に新しい発見がある、すばらしい映画だと思います。

あらすじ
チャック・ノーランドは、世界宅配便”フェデックス”の敏腕シス­テム・エンジニア。世界中を駆け回り、システム上の問題解決に明け暮れている。一秒も­無駄にしないことが彼の信条だった。そんなある日、彼の乗った飛行機が事故を起こす。­奇跡的に一命を取り留めたものの、彼が漂流した先は無人島だった。まったく孤立無援の­環境に投げ出されたうえ、日常の便宜から切り離され、チャックは生きるために必要な水­と食料、寝る場所の確保の問題に直面する。過酷な環境の中、彼は孤独という精神的な試­練に対し、ケリーを心の支えに生き抜く。4年が経ち、ついにチャックは無人島から脱出­して文明社会の現実へ戻る。だが、そこで彼を待っていたのは、更なる厳しいもうひとつ­の試練だった……。