波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

MCI:軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment)

約 1 分

認知症高齢者の現状

最近、MCI(軽度認知障害)という言葉をよく耳にするようになりました。

内科系の患者さんからも相談を受けることがあります。

高血圧や糖尿病は認知症の原因といわれていますから、内科系の患者さんからそのような話が出るのもうなずけます。

さて、MCIとは、認知症でもない、かといって全く正常でもない、そのような中間状態の人のことです。

 

診断基準は、

  1. 記憶障害の訴えが本人または家族から認められている
  2. 日常生活動作は正常
  3. 全般的認知機能は正常
  4. 年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する
  5. 認知症ではない

となっています。

平成22年の推計で、認知症患者は439万人、MCI(軽度認知障害)の人は380万人です。

65歳以上の15%が認知症、13%がMCIですから、実に4人に一人は何らかの認知機能障害を抱えていることになります。

MCIも決してまれなことではないので、患者さんの心配も、もっともなことです。

このうち、1割の人が毎年、「認知症」へと移行するといわれています。そのため、慎重な経過観察が必要になります。

その一方で、5割の人は認知症へと移行することなく経過します。また逆にMCIから正常状態へ回復する人もいるようです。

時に、全く正常に見える患者さんから、「私は認知症になりかけているのかも?」と冗談とも本気ともつかない話が出ることがあります。

冗談半分のように話される人が多いので、こちらもまじめに受け取らず、「大丈夫ですよ」と軽く流してしまうことも多々あります。

患者さんが帰った後で、「あの人の真意はどこにあったのか?」と考え、反省させられます。

本人と家族の「将来認知症になってしまうのではないか」という不安に答えていくこと、

「認知症ではないのだから病気ではない、だから、病院へもかかる必要はない」という誤解に対応していくことが、かかりつけ医としての役割ではないかと思います。

私たちかかりつけ医は、もっともっと勉強せねばなりません。