波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

「千年の釘にいどむ」

約 1 分

薬師寺「千年の釘にいどむ」
内藤誠吾 著
光村図書 小学5年生用 国語教科書より

昨日は、スクラップ&ビルドの話だったのですが、それとは真逆に「古いものを大事にする」、「今あるものを次世代に残す」話を思い出しました。

上の息子が小学5年生の時に使っていた国語の教科書、それに載っていたエッセイです。音読の宿題につきあっているときに出会いました。

とても良い話だったので、その教科書だけは捨てずにとっておいたのですが、今年、下の娘の教科書を見ると、また同じ話が載っています。

世界最古の木造建築、1400年前の「法隆寺」、1300年前の「薬師寺」。

地震大国の日本で、今に至るもしっかりと立っています。

これは驚異的なことです。

1970年から始まった修復・再建工事では、建立当時の古代の人々に負けないように全国から選りすぐりの職人が集結しました。

その中で、四国から参加した鍛冶(かじ)職人の白鷹さんにスポットを当ててお話は進行します。

これまで千年以上経ってもびくともしていないものを修繕するのだから、これから千年後にも「耐えうる」釘を作ろうと、白鷹さんが悪戦苦闘します。ここに日本職人の矜持を感じます。

白鷹さんは笑いながら言います。

「千年先のことは、わしにもわからんよ。だけど、自分の残ったこの釘が残っていてほしいなあ。千年先に、もし鍛冶(かじ)職人がいて、この釘を見たときに、おお、こいつもやりよるわいと思ってくれたらうれしいね。逆に、ああ、千年前のやつは下手くそだと思われるのははずかしい。笑われるのはもっといやだ。これは職人というものの意地だね。」

さて、この教科書のエッセイを提供したのは1967年生まれの内藤さんというテレビマンらしいのです。わたしといくつも年が変わりません。(もしも手元にこの教科書がある人は是非読んでみてほしいのですが、)このエッセイ自体も簡潔で洗練されています。

わたしもいつか、しっかりとした仕事をして、それを何らかの形に残したいと思います。