波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

「消えゆく【士(さむらい)】」

約 1 分
確かに、「さむらい」という感じはしませんね。(例によって画像は不許複製・無断転載です。)
確かに、「さむらい」という感じはしませんね。(例によって画像は不許複製・無断転載です。)

最近、当クリニックに「臨床心理士」が着任し、私たちも活動の幅を広げています。

翻って、昨年9月、「公認心理師法」が交付され、そこから2年以内には法律が施行されることになりましたので、こちらの方面からも「こころの専門家」に注目が集まることになりそうです。

これについては「公認心理師」が国家資格となり、名称独占になることで賛否両論あるようですが、今日はそのことには触れません。

さて、公認心理師は「師」であり、臨床心理士の「士」ではないようです。

チョット退屈ですが、一緒に辞典を見てください。

以下は、新明解国語辞典第七版からの転載です。

【師】
〔中国の古制で、二千五百人の軍隊。五師を軍と言った〕
(一)軍隊。
「問罪の師を起こす」
「師団・王師・出師(スイシ)」
(二)(自分が心から師事し尊敬する)先生。
〔教授・伝道・説教する人の名前の下に添えて用いたり 代名詞として用いたり する〕
「生涯の師と仰ぐ人」
「師匠・師弟・教師・恩師・法師・導師・牧師」

【師】 [造語成分]
特定の技能を身につけている人であることを表わす語。
「絵師・仏師・指物(サシモノ)師・経師(キヨウジ)・鋳物師(イモジ)・塗(ヌ)師・看護師・手品師・浪曲師・業(ワザ)師・仕事師・勝負師・山師・詐欺師」

もう片方の「し」は、

【士】
(一)〔昔 中国で〕
天子や諸侯に仕えて官位に就き、庶民の指導的地位にあった人。
「士大夫(タイフ)・逸士・進士」
(二)〔兵何人かの長の意〕
江戸時代、農・工・商の上の社会的地位。
(三)(りっぱな信念・技能を持つ)男の人
「好学の士」
「我が党の士」
「同好の士」
「士女〔= 紳士と淑女〕・志士・紳士・名士・都人士・四十七士」

【士】 [造語成分]
(一)一定の技能や資格を持つ人であることを表わす語。
「博士・学士・修士・弁士・力士・栄養士・計理士・弁護士・代議士・運転士」
(二)軍人。
「士官・士気・士族・兵士・騎士・勇士・武士」
(三)〔自衛隊で〕
最下位の階級。
「陸士・海士・空士・一士」

以上:
新明解国語辞典 第七版 (C) Sanseido Co.,Ltd. 2013

私の印象でまとめると。
「師」=師匠、先生と呼ばれる人、特殊な技能を修めた者といった尊称に近い「プラス」の側面と、詐欺師などにも使われるように、チョット胡散臭い、「マイナス」の側面があるように感じます。

一方で、「士」=つわもの、さむらい、もののふ、仕える者。技術を身に付けた者。といった「プラス」のイメージしかわきません。

個人的に、「しんりし」は「心理士」であって、「心理師」というと何となく「安っぽい」(ごめんなさい)感じがしてなりません。

10年くらい前に、「看護婦・看護士」が「看護師」に一本化されたときからずっと違和感を感じており、個人的には「看護師」という言葉を発音しづらいので、公的な文書・発言以外では、できる限り「ナース」という言葉で通しています。

心理「士」についてもできれば「士」の字を当てて欲しかったのですが、実際の所、臨床心理士は女性が多い印象がありますから、女性に「士」の字を使うことにも抵抗がありますね。(よくよく考えると看護師も女性が多いので、「士」の字は使いづらいですね)

どうでもいいことのようですが、やはり言葉って大事なんですよね。

ちなみに「医者」という言葉も私は「蔑称」だと思っているので、あまり好きではない言葉です…。

がまたそれは別の機会に。