波乗りクリニック

一般内科・心療内科・在宅医療

「あくまで助言?」

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無断転載禁止です。
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8月上旬、世の中がオリンピックムード一色の時、衝撃的なニュースが日本を駆け巡りました。

が、人工知能の医療への導入は以前から言われていることで、さほど驚くべき事ではないのかもしれません。

「人工知能」とまではいきませんが、画像診断の支援システムや心電図の解析、血液生化学検査などはもとより自動化されています。

薬局にある自動分包機も一説によると、一台で薬剤師一人分の働きをするのだとか…。

実際の所、膨大な文献・エビデンスに基づいて適切な医療を施していくというのは、もはや人間の手に負えるところではなく、今後はさらに人工知能への依存度が高まりそうです。

医療の水準が上がるのは大歓迎です。しかも、実用化され、広く一般に普及すればコストも下がりますから、長い目で見れば医療費削減の効果もあるかもしれません。

ただ、この記事で重要なのは人工知能が行ったのはあくまで「助言」ということで、「最終的な意思決定は医師が下す」、「診断は医師でなければやってはならない」という前提に立ったものです。

いずれ法律の改正などが行われ、医師が不在でも「診断」が可能になれば、いずれ「医師」という職業は、消滅するまではいかなくとも、仕事の領域はかなり狭められたり、変更を余儀なくされそうです。

 

2016.8.5 06:30 産経新聞より

「人工知能、がん治療で助言 国内初か 白血病のタイプ10分で見抜く」

膨大な医学論文を学習した人工知能(AI)が、60代の女性患者の白血病が治療などが難しい特殊なタイプだと10分で見抜き、適切な治療法の助言で回復に貢献していたことが4日、分かった。治療した東京大医科学研究所は「医療へのAI応用に大きな手応えを感じた」としている。

 同研究所が使ったのは、米国のクイズ番組で人間のチャンピオンを破った米IBMのAI「ワトソン」。同研究所はAIが患者の救命に役立ったケースは日本初ではないかとしている。

 治療に関わった東條有伸教授は「AIが医療分野への応用に非常に大きな可能性を持っていることが実感できた。将来は診断や治療の方針づくりに役立つだろう」と話す。

 膨大なデータの学習で的確な判断を行うAIは、多様な分野で応用が模索されているが、今後は医療への応用が本格化しそうだ。

 女性患者は昨年、血液がんの一種である「急性骨髄性白血病」と診断され同研究所に入院。当初の半年間は2種類の抗がん剤で治療したが回復が遅く、敗血症などの恐れも出てきた。

 東大は昨年からIBMと共同で、がんに関連する約2千万件の論文をワトソンに学習させ、診療に役立てる臨床研究を行っていた。そこで、女性患者のがんに関係する遺伝子情報をワトソンに入力したところ、急性骨髄性白血病のうち、診断や治療が難しい「二次性白血病」という特殊なタイプだとの分析結果がわずか10分で出た。

 ワトソンは治療法の変更を提案し、臨床チームが別の抗がん剤を採用。その結果、女性は数カ月で回復して退院し、現在は通院治療を続けているという。