波乗りクリニック

ウイルスはどのくらい長生きするのか?

462819 views
約 4 分

 

無断転載禁止です。
無断転載禁止です。

このところ毎日、感染症とくにインフルエンザとノロウイルスのことに振り回され、一日中頭から離れません。

厚労省は「手洗いやマスクの着用を徹底してほしい」と呼びかけていますが、手洗いはなぜ必要なのでしょう?

それは、「そこにウイルスがいるから」。
手洗いによって、ウイルスが物理的に洗い流され、人から人に移る可能性が減るからです。

欧米のような握手する習慣の地域では、直接人の手から手にウイルスが移動しやすい環境です。
この点、日本では習慣が違いますので、直接人の手から手に移る確率が低くなります。
実際、欧米の感染症対策では、「日本のようにお辞儀文化にすべきだ」との意見もあるようですね。

ところが日本でも手洗いは必要です。

ウイルスや細菌などは「環境表面」に付着して生息しています。ドアノブやおもちゃなどに付着しているのです。

仮にインフルエンザウイルスが含まれた鼻水を洋服のような表面が凸凹したものに塗りつけると、24時間くらいはウイルスが生き続けます。
いろいろな因子に左右されますが、実際に感染性を持っているのは、そのうち2時間ちょっとだと推測されています。
これがインフルエンザウイルスの場合、ドアノブのような表面がつるつるしている平滑な物体の上だと、もっと長生きして48時間くらい生存して、8時間くらいは感染性を維持できます。

その間に別の人がドアノブを触るとインフルエンザウイルスが手に乗り移り、いずれ誰かの鼻に吸い込まれていくわけです。

驚くことに、衣服についたウイルスよりも、つるつるのステンレスの方が、インフルエンザウイルスが長生きできるのです!
理由はよくわかっていないようです。
※以下は令和2年3月9日追記
元ネタは
「もっとねころんで読めるCDCガイドライン―やさしい感染対策入門書2」
矢野 邦夫 (著)
です。

文献3)
J Infect Dis. 1982 Jul;146(1):47-51.
Survival of influenza viruses on environmental surfaces.
Bean B, Moore BM, Sterner B, Peterson LR, Gerding DN, Balfour HH Jr.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/6282993

文献5)
Ophthalmology. 1993 Dec;100(12):1835-9; discussion 1839-40.
Prolonged recovery of desiccated adenoviral serotypes 5, 8, and 19 from plastic and metal surfaces in vitro.
Gordon YJ1, Gordon RY, Romanowski E, Araullo-Cruz TP.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8259283

※以上、令和2年3月9日に追記

それでは、嘔吐下痢の原因となる「ノロウイルス」はどうでしょうか?こちらはインフルエンザウイルスよりずっと長生きで、(元々のウイルス量によりますが)4℃くらいの環境だと、最高で40~50日も感染力を保てるのです!ノロウイルス恐るべしです。
20℃くらいの環境だと1~10日以内にはほとんど感染力を失います。ノロウイルスは低温環境が好きなので、冬に流行るのです。90℃以上、90秒でウイルスを不活化できるといわれています。

ウイルス対策として、まずは手洗いなどで物理的に排除して、さらに消毒薬などで化学的にたたきます。

つまり、しっかり物理的に洗い流した後で、アルコール消毒(塩素消毒)などを行えば、非常に有効です。ただ、手の場合、手洗い直後にアルコール消毒すると、手荒れがひどくなるといわれています。どちらか一方だけにした方がいいかもしれません。
また、手に直接の塩素はきついでしょうね。